苦労の後に歓びが

か細いセルスターターがちょっと悲鳴に似た音を上げたかと思ったら、
もう二回目はウンともスンとも言わなくちゃった。

ここはスタンドだから頼めば何とかなるのですが、一度エンジンは
かかったので、また簡単にかかるだろうと考えることにして、再度
押しがけでチャレンジしてみることにしました。

スタンドから人通りの少ない方の裏道に出て、ギアをセコンドに入れ
クラッチを切って勢いを込めてバイクを引っ張り、頃合を見てクラッチ
を繋いでみます。

ガソリンを満タンにしたので更にバイクは重くなってました。
しかも、相当体力も消耗しています。
それでも必死にバランスを取りながら、バイクを引っ張りました。

そうしてようやく数回目に心地良い爆発音が聞こえた瞬間、
「やったあ！」と心の中で歓喜の叫び声をあげていました。
今度はトータル300メートルぐらいバイクを引いたと思います。
きっと私の身体からは陽炎のような熱気が上がっていたことでしょう。

アクセルを回し、嬌声のようなバイクのエンジン音を耳にしながら
「今の幸せに感謝いたします」と祝祷していましたよ、ホント。

その後、30分ぐらい走り回ってきました。
外気が段々と冷えてきて、薄着だったのですごくキツかったけど。